【展示会案件】シンガポールに向けてのご出荷

ようやく世界的にコロナ騒動が落ち着き出したこともあり、今回のような展示会案件についての問い合わせも次第に増えて参りました。

今回展示会に出展する商品は、以前投稿した【通関難航案件】中国向け化粧品の輸出 でも記述した通り、海外需要が高まっている「Made in JAPANの化粧品」で、本件の依頼先である商社様が多くの国内メーカー様から商品を取り寄せ、多種多様な化粧品を展示するという背景でした。

そのため、商品種類は実に77種類まで上り、対する展示会開催までの納期限は1か月を切っておりましたので、所要時間を考慮し弊社が提案した輸送方法は以下の3つとなります。

  1. ATAカルネ申告→取得後に国際輸送(海上輸送 or 航空輸送)
  2. ハンドキャリーのみでの輸送
  3. FEDEX出荷+ハンドキャリー輸送

上記方法の内、お客様は「3. FEDEX出荷+ハンドキャリー輸送」をご選択されました。
理由としては、展示会開催までの時間に余裕がないことから、ATAカルネの取得に係る時間を懸念されたこと、他方法と比較しても大きくメリットが望めないためです。

一方で、1. ATAカルネ申告→取得後に国際輸送は他方法と比較すると費用面が高いこと、2. 全量をハンドキャリーのみで輸送するのは人員的な負担が大きくとなってしまうため、費用面と人員面のバランスを考慮した上で、クーリエとハンドキャリーにて輸送することをご選択されました。

※ATAカルネについて詳しく知りたい方は、以下のリンクをご参照ください。

続きまして、弊社では毎年「展示会案件」をご手配させて頂いておりますが、大きなプロジェクトに加え、展示会開催日が決まっていることから、商品が展示会場に到着するまでは「絶対にミスのできない緊張感」が社内で漂います。

そんな緊張感を持ちながら手配を行っていても、現場でのトラブルや、他国の情勢による通関トラブルなどが発生し、肝を冷やすこともたまにはあります。

そこで、下記ではこれから展示会出展をお考えの方に向けて、実際に起こったトラブル、及び対策方法についてご紹介させて頂きますので、参考になれれば幸いです。

【トラブル例、及び対策方法】

1.輸送依頼~展示会開催日までの期間の短さ。

こちらが最もトラブルの元になりやすいのですが、本案件でも該当するように、展示会出展の商品数は基本的に多数に及ぶことが多く、商品内容・重量・容積により適切な輸送方法も変わって参ります。
その上、近年アジア市場で注目されている日本製の「美容品・化粧品」や「サプリメント等の健康食品」は含有成分やラベル表示により、開催国で輸入不可となる場合があります。         (今まで問題なかった成分や表示も急に規制対象となることがあります)

<対策方法>
出展の計画時点でご相談頂ければ、事前に商品に合わせた条例や輸送上の注意点、必要書類の有無、開催国の情勢や法律の改定など、事前の下調べを先行して進めることが可能となります。
正直、輸送自体に長い期間は必要としませんが、輸送をスムーズに行うためには下調べが突発的なトラブルや追加費用の発生を抑えるための重要な部分となります。
そのため、期間としては開催日から2ヶ月前をおおよその目安にして頂けると良いかと思います。

2.展示会の主催側が設けているルールの有無。

これまでの経験を踏まえますと、大規模な展示会になるほど、主催側が独自にルールを設けることがあります。例えば、「搬入日の事前指定」や「搬入業者の指定」など、展示会場へは開催日近くなると多くの商品が搬入されるため、商品管理、紛失防止やテロ対策のためにも、貨物搬入に関して特に厳しく管理されています。また、出展のご担当者様が貨物到着時点で展示会場にいる場合は別ですが、もし到着されていない場合には展示会場へ直接輸送を要望される場合がございます。そこでは主催側が荷受担当者を用意していないために、配達時に貨物の受取人が不在となるトラブルです。

<対策方法>
やはり出展に携わる担当者を貨物到着前に現地へ派遣しておくことが一番良い選択となります。   万が一通関や現地側の輸送、貨物搬入などに問題が発生した時点で早急に対応ができます。
あるいは、主催側が必ず会場へ貨物を搬入する特定の配送業者を用意しておりますので、配送業者の担当者と連絡先を事前に確認していただいていれば弊社からコンタクトをさせて頂きます。

3.開催国で展示商品に対する規制や法令について。

日本に輸入する際に、商品によっては追加で必要なライセンスや提出書類がございます。他国でもその国の法令に基づいた規制や法令が存在します。それらは国際条例や国の情勢や文化、環境保護など様々な観点から判断されており、時勢的な出来事にも影響されてきます。

<対策方法>
弊社では事前にご相談頂けましたら、商品や物量を基に、現地代理店に通関にあたっての気を付けるべき内容を事前に確認するようにしております。また、ATAカルネを取得することで、展示国での条例などによる規制を未然に防げるため、展示会では最も有効かと思います。(展示国から戻る際に物量に変更がある場合は適用不可)

最後に、本件のような展示会出展の案件については、大がかりなプロジェクトとなるため、是非とも実績のある企業様にご相談することをお勧め致します。弊社では展示会商品の取り扱い実績も多いので、お気軽に問い合わせください。

株式会社バンソーロジスティクス
マーケティング部 TEL: 03-6268-9496