この度は国内顧客様より、イベントで使用される人口芝を中国より輸入する手配をさせて頂きました。
タイトルでもお分かり頂けると思いますが、今回の案件で最も懸念した点は何と言っても、9月の秋台風が多発されている状況下、切羽の詰まった中で納期に間に合わせることでした。
納期に関しては手配段取りの迅速さや周到さ、協力会社様との付き合いを日頃より大切にしているため、十分に注意をしながら手配を行い、台風直撃が無いようの思いで手配を進めていました。
初めに、貿易・物流従事者ならお分かりのことと存じますが、RCEPについて簡単にご説明いたします。
RCEP(協定)とは、「Regional Comprehensive Economic Partnership Agreement」の頭文字をとった略称で、2012年11月に交渉を開始し、2020年11月に署名された日本や中国、韓国、ASEAN10か国にオーストラリアとニュージーランドを加えた15か国の経済連携協定のことです。
また、貿易に与える影響に注目しますと、農林水産品や工業製品にかけられていた関税の撤廃や引き下げが含まれており、貿易また輸出入の手続きの簡素化も望め、加入国の貿易円滑化が期待できます。
本件の商品である人口芝の H.S. codeは5703.31のため、適用税率を検索したところ、
通常であればWTO協定の税率である6.3%が、RCEP(中国)の税率は5.2%となり、お客様にとって余計な費用抑えるための提案をすることができました。
・RCEP適用するための申請手順。
- 輸出者等に商品がRCEP適用の原産品であることを確認及び立証できる根拠書類を用意して頂く。
- 輸出者等が根拠書類の準備が完了後、中国側の指定発給機関に申請をして、特定原産地証明書の審査を依頼して頂く。
- 審査で内容に問題がなければ、中国発給機関より証明書が発行される。
- 発行された証明書を日本側の輸入者に送付して頂く。
- 輸入者は、受領した証明書当を輸入通関時に日本税関に提出する。
- 日本税関より認められたら、RCEP税率が適用される。
・RCEP協定上の「原産品」として認められる条件。(いずれかに該当)
‣完全生産品
‣原産材料のみから生産される産品
‣品目別規則を満たす産品
以上RCEPについての説明でした。
次に、海上輸送から国内配送までの流れを実際の日程と合わせて説明させて頂きます。
<海上輸送>
ETD SHANGHAI | ETA TOKYO | |
オリジナルスケジュール | 9月13日 | 9月17日 |
実際のスケジュール | 9月22日 | 9月26日 |
上記スケジュールでお分かりの通り、やはり時期が台風大量発生の真っ最中だったため、
当初予定していた本船スケジュールよりも大幅に遅延してしまいました。
<輸入通関・国内配送>
9月26日→東京港に本船が到着。
27日→コンテナ一斉搬入完了。(コンテナ引き取り開始日)
28日→大型X線検査申請・CY倉庫から横持 *当初の納品期限
29日→大型Ⅹ線検査実行・輸入通関申告
30日→顧客様ご指定住所(千葉県)へ AM8:00 に配送完了
10月1.2日→イベント開催
以上で当初の納期よりも遅れましたが、関係業者様方々のご協力の下、紙一重でイベント開催前までに間に合い、
配送完了後は顧客様により即座に敷詰め作業(*写真)が行われ、10月1.2日に無事イベントを開催されました。
※RCEP輸入について詳しく知りたい方は、以下のリンクをご覧ください。
最後に、2022年1月1日より発効したRCEP協定では、多くの品目で関税が撤廃または引き下げられることになりましたので、
是非一度ご使用をお考えになってみてはいかがでしょうか。
また、台風時期と重なる輸送の際は、可能な限り余裕を持って臨まれることを心よりお勧め致します。
なお、弊社でもRCEP協定に関する案件を取り扱っておりますので、お気軽に問い合わせください。
株式会社バンソーロジスティクス
マーケティング部 TEL: 03-6268-9496